表彰

石橋湛山賞

2016年度(第37回)石橋湛山賞 受賞作決定

『経済の大転換と日本銀行』
京都大学公共政策大学院教授 翁邦雄著

 2016年度・第37回の「石橋湛山賞」(石橋湛山記念財団主宰、東洋経済新報社・経済倶楽部後援)受賞作は、京都大学公共政策大学院教授の翁邦雄氏による『経済の大転換と日本銀行』(岩波書店、2015年3月刊)に決定いたしました。
 日本銀行入行後、調査統計局企画調査課長、金融研究所所長等を務めた翁氏は、金融論が専門。多くの著書や論文を発表、また岩田規久男氏とマネーサプライ論争を行うなど、政策決定の現場を踏まえた専門家として積極的に発言されてきました。
 受賞作は『金融政策のフロンティア――国際的潮流と非伝統的政策』(2013年)に続いて、現在の「異常な金融緩和政策は果たして経済の拡大・発展に有効なのか」について、熟考された理論に基いて、日本経済の真の課題と処方箋を、わかりやすく述べています。デフレは表層的現象であり、日本経済の低成長の原因ではなく、日銀の金融緩和政策は人口減少、超高齢化という根源的で喫緊の課題から目をそらす方向に結果としてなっていると指摘しています。
 選考委員が一致して本書を推薦したのは、日本銀行が非伝統的金融緩和政策を、“出口”が見えないまま、このまま続けていくことにより、数年後に現出しかねない厳しい事態に警鐘を鳴らす役割を期待したからです。
授賞式、ならびに記念講演は11月4日(金)、東洋経済ビルで行われます。

2016年8月 一般財団法人 石橋湛山記念財団

石橋湛山記念財団

過去の授賞者と受賞作

第36回 『戦後70年保守のアジア観』
若宮啓文著
第35回 『平和主義とは何か─政治哲学で考える戦争と平和』(中央公論新社 13年3月刊)
松元雅和著
『永続敗戦論─戦後日本の核心』(太田出版 13年3月刊)
白井 聡著
第34回 受賞作無し
第33回 『原発危機の経済学――社会科学者として考えたこと』(日本評論社 2011年10月刊)
齊藤誠著
第32回 『戦時下の経済学者』(中央公論新社 2010年6月刊)
牧野邦昭著
第31回 『危機の経済政策―なぜ起きたのか、何を学ぶのか』(日本評論社 2009年8月刊)
若田部昌澄著
第30回 『近代日本の分岐点―日露戦争から満州事変前夜まで』(ロゴス 2008年6月刊)
深津真澄著
第29回 『日本国の原則-自由と民主主義を問い直す』日本経済新聞出版社 2007年4月刊)
原田泰著
第28回 『日中関係―戦後から新時代へ』(岩波新書 2006年6月刊)
毛里和子著
第27回 『戦後和解』(中公新書 2005年7月刊)
小菅信子著
第26回 『平和のリアリズム』(岩波新書 2004年8月刊)
藤原帰一著
第25回 『家計からみる日本経済』(岩波新書 2004年1月刊)
橘木俊詔著
第24回 『地域再生の経済学 豊かさを問い直す』(中公新書 2002年9月刊)
神野直彦著
第23回 『現代日本経済政策論』(岩波書店、2001年9月刊)
植草一秀著
第22回 『財政赤字の正しい考え方-政府の借金は何故問題なのか』(東洋経済新報社 2000年8月刊)
井堀利宏著
第21回 『現代日本経済論-「バブル経済」の発生と崩壊』(東洋経済新報社 1999年5月刊)
奥村洋彦著
第20回 「競争社会の二つの顔-生存のためそして遊戯として」(『中央公論』98年5月号)
猪木武徳著
第19回 『規制緩和-市場の活性化と独禁法』(ちくま新書 97年1月刊)
鶴田俊正著
第18回 『日本的雇用慣行の経済学』(日本経済新聞社 97年1月刊)
八代尚宏著
第17回 『新しい産業社会の構想』(日本経済新聞社 96年2月刊)
『アジアの時代』(東洋経済新報社 96年4月刊)
田中直毅著
第16回 『挑戦する流通』(講談社 94年12月刊)
伊藤元重著
第15回 「新経済主義宣言-政治改革論議を超えて」(『中央公論』94年2月号)
寺島実郎著
第14回 『石橋湛山の思想史的研究』(早稲田大学出版会 92年12月刊)
姜 克實著
第13回 『冷戦後の世界と日本』(講談社 91年11月刊)
「成功物語」(『世界』91年12月号)
船橋洋一著
第12回 『国際安全保障の構想』(岩波書店 90年12月刊)
鴨 武彦著
第11回 「日米同盟の新しい可能性」(『アスティオン』89年10月号)
中西輝政著
『石橋湛山研究-小日本主義者の国際認識』(東洋経済新報社 90年6月刊)
増田 弘著
第10回 「平和・開発・人権」(『世界』89年1月号)
坂本義和著
第09回 「責任国家・日本の選択」(『アスティオン』87年冬号)
中谷 巌著
第08回 「歴史と文明のなかの経済摩擦」(『中央公論』86年8月号)
「経済摩擦の歴史的地位」(『中央公論』86年9月号)
大沼保昭著
第07回 『国際対話の時代』(朝日新聞社 85年10月刊)
松山幸雄著
第06回 「無邪気で危険なエリートたち」(『世界』84年2月号)
竹内 啓著
第05回 「陽はまた昇る─経済力の活用と国際的な貢献」(『中央公論』83年7月号)
宮崎 勇著
第04回 「日米「愛憎」関係 今後の選択」(『ボイス』82年1月号)
天谷直弘著
第03回 「世界が日本を見倣う日」(『文芸春秋』81年11月号)
長谷川慶太郎著
第02回 「農業革命を展望する」(『経済評論』80年11月号)
叶 芳和著
第01回 「高い自己調整能力をもつ日本経済」(『現代経済』79年冬号)
飯田経夫著