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いつも不安で面白い。

東洋経済 編集部記者 中川雅博

ざっくりとした質問ですが、今って面白いですか? また入社当時の自分はどうでしたか。

今ですか? 面白いですよ。仕事をつまらないと思ったことは、一度もないです。やってる間は何とも言えない苦しみがありますけど(笑)、この仕事は最終的にモノができるので、成果がきちっと見えるからやりがいを感じやすいですね。今は記者として書ける機会があったら、どんどんやっています。もともと要領が悪いほうなんですが、うまく仕事のコントロールができるようになったのは、この1年ですかね。

入社当時は、とにかく時間がかかっていました。書くのも遅かったですし、担当業界も記事にするハードルが高く、記者として書いた量も少なかったんです。書いたとしてもギリギリになってしまうことがよくあり、1度は締め切り直前になって先輩に「これ記事になってないよ」と言われ、校了2時間前に大工事をしてもらって何とか印刷に間に合った、ということがありました。

校了2時間前に原稿修正! それは焦りますね。

先輩とちゃんとコミュニケーションをとってなかったんですよね。反省です。自信がないから見せられない、じゃなくて自信がないからこそ相談しないと、と考えるようになりました。

さっき書いた量が少ない、と話しましたけど『東洋経済オンライン』にはちょこちょこ執筆していました。だけど『週刊東洋経済』には1年目の2月に書いたきりで、その次は2年目の7月だったんですよ。

結構、期間が空いてますけど、何かきっかけがあったんですか?

担当業界からちょっとズレても良いから、いろいろ書いてみようと思ったんです。当時は工作機械や産業用ロボットの担当だったんですけど、生活分野のロボットについて広げてみようと。社内で誰も取り上げていないこともあって、当時政府の成長戦略のひとつとして話題になっていた介護ロボットについて取材を進めてみたら、一記事ではなく小さな特集をつくることができました。今年の5月の介護特集で再度追っていた時に、取材先の人から「あの時の記事、読みましたよ」と反響があったのも嬉しかったですね。

自分のできるところを見つけたっていうのが、突破口になったんじゃないかと思います。

最近はアメリカ出張もするなど、メキメキと頭角を現してきていると聞きましたが。

どこで言われているんですか、それ(笑)。でも去年10月から自動車メーカー担当になってから、忙しくなりましたね。英語を多少話せるのもあって、自動車メーカーの先端技術研究所が集まる米国・シリコンバレーに3日間で7件取材に行ったんですよ。もう、死にそうでしたね(笑)。現地に行くと決まったのは一週間前で、アポやチケットを取ったりでほんとギリギリで。帰って来ても一週間で書かなくちゃいけなかったんです。だけど、社内外で「面白かった」という声もあったので嬉しかったです。あと海外でもやれるもんだな、と感じました。当然、下調べして行きましたけど、意外と対応できるんだな、と。とにかく、やってみるということですよね。

もう海外取材担当、決定ですね! また新たな自分の強みを手に入れたと。

イヤイヤイヤ。でも大変でしたけど「よし中川、行って来い」って言われる環境は、単純にありがたいですよね。その後も、取材でスイスのジュネーブで開催されたモーターショーに行けましたし、余談ですけど本場のチーズフォンデュも食べられましたし(笑)、とにかくラッキーでした。

あと強みとは違うんですけど、同じ年にある機械メーカーの報道されていない情報を掴んで、独自ネタを出すことができました。一切取材に応じない企業だったんですが、自分でやり方や人脈を見つけ出して、何とか世に出すことができました。社内もそうですけど、競合他社の記者さんにまで声をかけられたのが嬉しかったですね。取材ができないからこそやれる方法がある、みたいなものを見つけられた気がします。

着々と成長してきた印象がありますけど、今でも不安ってありますか?

もちろん! アポが取れない、取材で聞き忘れたとか、記事になるかな? とか、日々あります。今までの経験から考えると、無茶しないと自分自身が伸びないかなと思っています。できることの範囲内にいるんじゃなくて、壁を越える経験ですね。そういった意味では、僕にとって越える壁があるということは、大事なことかもしれません。

今後、目指す姿みたいなものってありますか?

うーん……、明確にはないですね。その時その時を、精いっぱいやっているというのが正直なところです。短期的には、特集の企画をつくる立場になったので、記者だけでなく編集者として広い視点から仕事に取り組んでいきたいですね。例えば、『週刊東洋経済』は読者の年齢層が高いですけど、若い人にも響く誌面づくりをしたいと思うし、それができる会社だと思っています。

長期的なところだと、今のところは自分ができる海外取材に強くなっていくことですかね。幸いにも社内には、この分野はこの人! という尊敬できる先輩が多いので、自分もそうなれたらと思います。一人ひとりの熱量が、とにかくすごいんですよ。

だから、今は何でも色々やっていきたいです。どうなれるかは、自分でも楽しみですね。

プロフィール

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東洋経済 編集部記者

中川雅博(なかがわ まさひろ)

神奈川県横浜市生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中に米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年東洋経済新報社入社。自動車やロボット、工作機械業界を担当。14年10月から週刊東洋経済編集部。ものづくりの真髄に近づくべく、好奇心に忠実に、国内外問わず取材にいそしむ。

編集後記

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ビジネスプロモーション局 メディア制作部

三浦崇紘(みうら たかひろ)

個人的なイメージですが、記者って生まれた時から体力・知力・そして勇気を兼ね備えた超人のような人なんだと勝手に思っていましたが、完全に裏切られました。もちろん良い意味で。記者はつくられるものなんですね。ただ、仕事のたびにすごいスピードで成長する中川さんの話を聞いて「これはこれで、超人のような人だな」と、インタビュー中に思っていたことは、本人には内緒です。