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ROLE

プレッシャーを心地よく感じて仕事をする。

​編集局『会社四季報』編集部 鈴木良英

漠然とした質問をしますが、今面白いですか?

面白いかどうかはわからないですが、仕事に関しては非常に充実していますね。最近、朝型人間になったんですよ。

きっかけは担当していた企業の変更。東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドなどレジャー業界の担当になってからです。日中は外出して取材をする機会が多くなりましたが、私は会社四季報の編集部にいますから、その業務もあるわけです。どうすれば効率よく仕事をできるかを考えて、朝型にしてみよう、と。

8時には出社して仕事をする。人が少ない静かなオフィスで、頭がすっきりした状態で取り組める。やってみると短い時間で多くの量をこなせるようになりました。

鈴木さんは経験者採用で入社されました。しかも東洋経済の採用試験を3回も受けられたとか。普通ならあきらめそうなものですが……

前職は銀行だったのですが、お客さんのところを回っていて、今の経済状況や企業の動向などについて知らない人が意外にいる。そうした人たちとやりとりをするうちに、いろんな情報をもっと知って欲しい、もっと役に立つ生の情報を届けたい、と強く思うようになっていきました。

試験に2回落ちたのですが、実はショックはさほどなかったです。当時は銀行で営業をしていましたから、営業での契約獲得と一緒で、一回、二回で受かるなんて無理だろうって思っていました。ダメだったら修正して成長して、またチャレンジすればいいと思っていました。

むしろ大変だったのは東洋経済に入社してからでした。記者の仕事にすぐなじめるだろうと思っていたのですが、実際はそう簡単ではなかった(苦笑)。アパレル、流通などの業界担当記者をしていましたが、なかなか自分の思い描いたような仕事ができなくて、記者には向いていないと悩んだこともあります。外から来て、東洋経済の文化に染まろうと無理をしていたのかもしれません。

それをどうやって乗り越えたのですか。

自分の中で大きな転機になったのは、今の部署に異動したことでした。「会社四季報」という東洋経済を代表する出版物に携われることはとてもうれしかった。自然と心境が変わってきましたし、今はこの会社に来た意味を感じています。

今の仕事の醍醐味は何ですか。

四季報の取材に行くと、毎回発見があって面白い。大企業に注目が集まりがちですが、四季報は全上場企業を対象にしていますから、一般の人には知られていない会社や私自身も知らなかった会社がある。取材して記事を書くことで、その会社に対する理解がさらに深まるし、とても勉強になります。

編集部にいますから自分で執筆するだけでなく、ほかの記者が書いた記事を編集する仕事もあります。四季報の巻末にある特集なども私が作っています。仕事の密度はとても濃いです。もちろんプレッシャーはありますが、それはいいコンテンツを作るために必要なことだと思って、心地よく感じながら仕事をしています。

鈴木さんが思い描く未来像とは?

自分のことについて言えば、今、株式市場や再び盛んになってきたIPO(新規公開株)などマーケット関連のことに興味を持っています。製造業が好きなので、日本のものづくりや技術についての取材などもしていきたいですね。

金融業界から転職してきたわけですが、出版業界の仕事についても、もっと深く知りたい。機会があれば記者だけではなくて、営業や広告などの仕事もやってみたい。もっと濃い仕事をしたいと思っています。

プロフィール

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『編集局会社四季報』編集部

鈴木良英(すずき よしひで)

1982年生まれ。大学卒業後、銀行勤務を経て、2008年に東洋経済新報社に入社。編集局企業情報部で小売りやアパレル、繊維業界を担当。12年から会社四季報編集部。現在の担当業界はテーマパークや映画などのエンターテイメント分野。

編集後記

編集局

中島順一郎(なかしま じゅんいちろう)

物腰が柔らかく、話をするときにはいつも笑顔の鈴木さんは私と同学年。ただ鈴木さんの考えやキャリアについて面と向かって聞いたのは初めてでした。話をしながら感じたのは見た目通りのまじめさと意思の強さ。自分の仕事に対して真摯に向き合う姿勢は見習うべきだと痛感しました。ベンチャー業界ではnanapiの古川健介氏やpixivの片桐孝憲氏など1981年前後に生まれた「81世代」の起業家が大きな注目を集めています。私たちも東洋経済に新しい風を吹き込んでいきたいですね。