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ROLE

「学生のほしい情報は何か?」これだけ。

『就職四季報』編集長 森 智彦

『就職四季報』の編集長1年目。すべての作業を終えられて、配本を待つのみですよね。

 はい。発売日を待っています(インタビューを行ったのは11月10日、発売の約1週間前)。
 『就職四季報』の特徴のひとつですが、発売後に掲載企業からさまざまな意見や質問が寄せられます。発売直後の1週間は、その対応に追われるといっても過言ではありません。企業にとって、ここに掲載される情報がそれだけ重要であるということの現れだと思います。
 その後は大学に呼ばれて講演活動をしたり、『週刊東洋経済』や「東洋経済オンライン」、『W』(文化放送キャリアパートナーズと弊社コラボの、女子学生向け就職活動フリーペーパー)など、他の媒体から執筆依頼がきていますので、記事を書いたりします。そして、たまにTwitterやFacebookでつぶやいたりもします。
 いわゆるプロモーション活動ですね。毎年読者が変わるのも『就職四季報』の特徴なので、読み方や媒体自体の認知を維持するために、編集長がこのような活動をするのも重要な仕事の1つです。

楽しそうですね!

 今まで携わったデータ事業局の刊行物では、配本されたら一段落していましたから、確かに新しいことばかりで新鮮です。
 でもまだ1年目なので、正直楽しいという感じはないですね。これからのプロモーション活動は「どうしよう」という感じです。慣れないスーツも着ないといけないし(笑)。

 編集に携わるようになって、『就職四季報』は学生のこれからの人生を左右する重要な媒体だということを、改めて実感しています。買ってもらうことも大事ですが、いかに全ページを読んでもらうかを常に考えながら、編集作業をしていました。

重責ですね。学生にはどのように『就職四季報』を読んでもらいたいですか。

 全ページ読んでもらいたいです。読み方としては、業界ごとにくくっている1ページ扱いの企業からとか、ランキングから入るとか。「エイっや!」と開いたところから読んでもらうのでもいいです! 12月から始めて、1日10ページ読み込んでいけば、3月には全ページを読破できる計算になりますね。

『就職四季報』の編集方針を教えてください。

 「学生のほしい情報は何か?」これだけです。
 アンケートと電話取材を中心にデータを集めています。そして、就活を終えた現役の大学生やこれから就活を迎える大学生にも、少し手伝ってもらいました。彼らの意見を吸い上げて、今の学生がほしい情報は何かということを常に考えています。

森さん自身の話を少しいいですか? 2008年に中途入社されましたが、職歴を教えてください。

 最初にシステムエンジニアの仕事を4年やりました。その後、銀行を経て、東洋経済に入社しました。思い起こすと、東洋経済とは、実は学生時代からすでに縁がありました。『就職四季報』を使って就職活動をしていましたので。

へえ~、本当に縁を感じますね! 私は転職をしたことはないのですが、転職される方は自分の強みをよく理解しているイメージがあります。森さんはどうですか?

 「IT」と「金融」の2本柱があります。
 システムエンジニアをやっていたとき、担当は銀行業界でした。そして、銀行にいたときはITと密接に関連するグローバル・キャッシュ・マネジメント・サービスの企画・運営をしていました。
 そして、東洋経済では『会社四季報・未上場会社版』に携わり、財務分野も知識として習得して、システム構築もやっていました。実際に自分が分析したいデータのプログラムを自ら作ることで、仕事の楽しさを追求することができました。実は、未上場会社版でも採用情報を少し扱っていました。そして、今に至っています。
 『就職四季報』では、「初任給」という項目1つとっても、院卒や大卒、短大・専門卒の学歴ごとに、総合職と一般職の職種別金額を調査しています。ただ、同じ総合職でもコースで金額が違うこともあります。グループ採用を行う会社では、各社で初任給が異なることももちろんあります。つい最近合併したので「初任給は旧○社のもの」という注記をつけてほしいといった要望もあります。
 これらの要件を、統一されたフォーマットである誌面にどう載せるか、そしてそのためにはどうデータを編集するべきかが難しいところです。迷ったときは「学生のほしい情報は何か?」という編集方針に必ず立ち返ります。それに加えて、自作ITツールを用いて、いろんな切り口でデータをチェックしていきます。その切り口の数は年々増えていまして、現時点で約200。裏側ではかなり「IT」が力を発揮してくれています。

プログラムも書けるんですか? すごい!

 実は、東洋経済に入って最初は、システム構築をやっていました。本当はデータ編集をやりたかったのですが、データ編集をやるためのITツールやサーバーの管理業務でした。けっこう、しんどかったですが、今となってはそのときに習得したプログラミングなどの知識が活きているので、うまいこと仕事がつながっている感じがあります。

次の編集期間まで少し時間の余裕があると思いますが、何かやりたいことはありますか?

 トライアスロンのトレーニング! 仕事はもちろん適度にやりながら、合間で次の大会に向けてトレーニングをしたいと思います。今までの人生の運動量を取り返している感じです(笑)。

プロフィール

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『就職四季報』編集長

​森 智彦

1978年大阪府生まれ。名古屋大学大学院人間情報学研究科(現情報科学研究科)を修了。2008年東洋経済新報社に入社。『会社四季報・未上場会社版』では編集や完全DTP化を担当。『就職四季報 優良・中堅企業版』創刊号の制作にも携わった。14年4月より現職。

インタビューした人

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ビジネスプロモーション局メディア営業部

山口 沙和子​

最後の回答があまりにも意外でした。見た目にマッチョ感はなく、スマートな森さんなのに。
仕事の話をしているときは冷静かつ理論的にわかりやすく話をしてくださったのですが、トライアスロンの話になると目はキラキラ、そして饒舌! 「いつかはジャパンのユニフォームを着たい!」と目標を打ち明けてくれました。大変な道のりのようですが、あながち夢物語ではないところがまたすごい。